感想文的自由なコラムPOECOLポエコラ #010

八ツ橋

高校生でも『詩人』でありたい

#010|2022.09.21

記念すべき第10回のポエコラに寄稿させていただくということで。

どうも、八ツ橋と申します。
そうそうたる顔ぶれの後に僕で大丈夫なのか?と不安になりましたが、折角機会をいただいたので、のんびりとコラムを書かせていただきます。

実は、八ツ橋は17歳、京都の現役高校生です。ご存じの方は多分少ないと思います。
このコミュニティで同年代の方を1人しか見かけたことがないので、そこそこ珍しい存在なのかなぁと勝手に思っています。(他にいらっしゃったらごめんなさい)

詩を書いていると周囲から揶揄されがちな高校生詩人にとって、自由で温かいこのコミュニティは居心地がよく、これからも自分の居場所のひとつとして定期的に出没するつもりです。
これを読んだ学生詩人さん(いたらいいな)は臆すことなくのびのびと自分の作品を投稿してみてください。きっと皆さん暖かく受け入れてくれますから。

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「『詩人の八ツ橋』にとって詩とはなにか」

いざ「これです」と言語化するのはなかなかハードルが高いのですが、あえて言葉にするならば「想いに形を与えるもの」でしょうか。

何をしてもいい。何を言ってもいい。
戦地に赴く兵士の気分を想像してもいいし、昼寝前の気分を何となく書き散らしてもいいし、あの子に恋い焦がれる気持ちを吐き出してもいい。
そんな空想や妄想を、記憶を、感情を言葉にして紡いでいく。

詩は、僕にとって自己表現であり、感情の清算であり、至上の娯楽です。
表現するという点においてはお絵描きと近しいものを感じます。
だから、誰かに読んでもらうためじゃない。自分の満足のために書く。
詩人は結局これに尽きる気がします。

自分が書いた詩に込められた想いや情景は自分にしかわかりません。
わかんないじゃないですか。他の人の詩を読んでも。
知らない単語、知らない世界ばかりでわくわくはするけど、わかんない。
書く側は勝手に書くし、受け取る側は勝手に受け取る。どう取ってもその人の自由です。

それでもここに投稿するのは……なんででしょうね。活動記録のようなものでしょうか。でもまぁ、自分の作品が評価されてると嬉しいじゃないですか。そんな単純な理由でいいんだと思います。

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「八ツ橋が詩を書くとき考えていること」

これは本当にその時々によります。
イライラとした気分で紙をサンドバッグ代わりにするときもありますし、ペンを指揮棒代わりにするときもあります。(表現がキザすぎますね…)

ただ、僕の作品の多くに共通しているのが「声に出して読むことを想定する」ことです。
気になった方は僕の詩をいくつか声に出して読んでいただければなんとなく伝わるかと思いますが、同じようなリズムの繰り返しだったり、5 or 7音が多用されたりしているんです。
これはひとえに、「何度も読み返したくなる詩」を目指しているからです。
僕の詩がやたら短いのも同じ理由です。あんまり長いと読み返す気が起きないでしょう?
だから短くテンポよく。これを意識しています。

歌詞を引用したりするのもいいですね。
一節だけ誰かの歌を連れてきて自分の詩と混ぜてみる。
これ、結構好きです。同じ文章なのに、意味が変わってくる。面白いと思います。

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「最近の作品から、僕が好きな作品」
素晴らしい作品ばかりですが、特に目についたものをいくつか取り上げてみました。

こしごえ さん
『繰り返される 繰り返されない物事』

この作品、めちゃくちゃ好きです。

  同じ物事があるとしても
  同じ物事は二つと無い
  かけがえのない一つ一つ一人一人
  あなたも私も

真理を突いてると思います。
ぜひ全文読んでいただきたい。
繰り返されるけど、同じものは二度とない。はっとさせられます。

佐藤宏 さん
『海の向こうに』

佐藤さんの作品は情景がとにかく綺麗で、奥行きがあります。

  君の知らない赤い花
  右に左に風に揺れた

余韻が好きです。どんな物語が背景にあるのでしょうか。
きっとそれは佐藤さんにしかわからないことで、でも僕らに何かを想像させる作品です。

『トウモロコシ』

もうひとつ紹介しちゃいます
男と女、高鳴りと悲壮感の対比が効いていて想像力が搔き立てられます。
すこしえっちな感じですかね(笑)

佐藤さんの作品、こっそりさかのぼって読んでいるのですが、短くて物語性があるので注目している詩人さんの一人です。皆さんもぜひ。

服部剛 さん
『写楽』

  不意に
  わたしがわたしであることが
  世にも不思議であるような
  何か自分のやることがあるような
  思念は宙に浮かんで、消えた

こんな感覚、少しわかるような気がします。
何度か作品として書いてはいますが、何度かいてもやはり、掴めない。
もどかしさに襲われる感覚です。
まだ僕は酒が飲めない年齢ですが、飲んだらこんな感じなのかなぁ、と楽しみになります。

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「高校生でも『詩人』でありたい」

僕は、現役高校生の詩人です。

どこから詩人と名乗っていいのかはわかりません。
詩集を出していないと詩人ではないと言われるかもしれませんし、どこかで賞をとっていないと詩人とは名乗れないと言う人もいるかも知れません。
でも僕は誰になんと言われようが『詩人』と自称します。

歌手や画家、作家と違って詩人は「在り方」だと思っています。
生活の一部に詩が紛れ込んでいる、素敵じゃないですか。
自分が詩人だと思って、詩を書いている。
いや、もしかしたら、詩を書いていなかったとしても。
景色を、感情を、記憶を言葉にしたならば、その人はもう詩人なのかもしれません。

高校生が詩を書くのはしばしば(というかほとんどの場合)生暖かい目で見られます。
なんといってもまぁ、多感な時期ですから。仕方ないと思います。
だから、自分の内面を赤裸々に綴るのは意図的にやめています。黒歴史になっちゃう……

17年しか生きていませんから。まだ未熟で、偉そうなことを言っても何様だとなりますが、僕は詩人として言葉を使い表現することが好きなんです。

『詩人』である八ツ橋はこれからも詩を書き続けていきます。
きっとここには、僕にしか見えない、僕にしか表現できない世界が広がっていますから。

八ツ橋

八ツ橋 プロフィール

京都に住む17歳の高校生詩人。文芸倶楽部『惑』副宰。小学生の頃石垣りんの詩に感銘を受け、詩を読むように。
来年から法曹志望の大学生として上京(予定)

詩の取り組みや集まり、それ以外の活動でもなんでもお誘い待ってます。

八ツ橋