感想文的自由なコラムPOECOLポエコラ #015

リリー

湖畔より詩を紡いで

#015|2023.06.14

こんにちは!リリーと申します。
今回、わたくしの様な新参者がポエコラを書かせていただくことになりました。驚きと戸惑いと不安のまま、原稿をしたためております。心を込めて、書かせていただきますので、読んでいただけると嬉しいです。

私の詩への想い、詩との出会いということで語らせていただきます。一言で申しますと、それが【たび立ち】であったかと振り返る今、思います。
プライベートなお話になってしまいますが、7年間の闘病生活を経て、54歳で一人親だった母は逝きました。そして私を襲ってきたものがありました。寂しさ、哀しさ、後悔の念。そんな思いが魔物の様に取り憑き、職場では疲れから体を壊しました。心を病みました。

けれども私には転職して社会復帰するまでのプロセスに「書く」という行為がありました。
自らを客観視し、私にとって得体の知れない暗闇から自己認識する為の「書く」という作業。それは、まるで彼方の見えない築かれた壁を破り、空のみえない張りつめた天井をブチ崩すのに一心でした。
そこから「詩を書いてみる」という飛躍は、たいへん難しいものでした。それでも、詩を書くことを選択したのは、私の作品で『いつかの恋人』に登場します彼の勧めがあったからです。
学識も無く独学で、最初はただ「一人遊びが上手な人」という印象を、読み手へ与えるだけの原稿でした。現在の私から見れば、もどかしいばかりで、どうしたら人に読んでもらえる作品に出来るのかを奮闘しました。
見えないものを見、聞こえないものを聞く、それが「一人あそび」ではなくて、心の開かれた伝える言葉として。私も、詩を書けるようになりたいというフツフツと湧く欲求。それは、本能的なものであったのかも知れません。

私の詩作を、一言でいいますと「根気」です。描写では、視覚的映像的に表現を工夫しイメージを掘り下げていくのに集中力を要します。書きたい「オブジェ」と対話しながら一瞬にして、紡ぐ言葉の虫取り網でチョウを捕まえる様な感覚なのです。だから、私は今までに仕上げました作品を全て愛しています。

詩を、書こうとすることは…身体に宿る魂の営みであり、私の日常そのものと言えます。
これから先、こうして作品を晒す機会に恵まれなくてもいい。もっと言えば原稿用紙に詩を書けない時期があってもいい。それでも私は、黙々と働き詩を読んで学びながら過ごすでしょう。
でも……やはり私はペンを離すことなく、街(町)を歩き、風景に心踊らせて創作する愉しさを求め続ける【たびの人】で、ありたい、書き続けたいと願っているのです。

ふとしたきっかけで、私がこの詩人会を知ることとなりまして。作品を投稿させていただける場があることに、深く感謝しています。
優しい人たちの、お寄せくださるコメントに有り難い気持ちで心がいっぱいになります。
詩人会の皆様の作品を、私も拝読させていただけますことに、幸せを感じます。
この度、貴重な機会を与えてくださって本当にどうもありがとうございました。
これからも人生マイペースで、頑張っていきますリリーの応援を、どうぞよろしくお願い致します。m(_ _)m

最後になりますが、恐れ多くも私の好きな詩作品、六作をご紹介させていただきます。

 

草野まこと様・「ケセラセラ」

草野様の作品はいつも楽しみにしているわたしです。まるでひらがながメロディーを奏でていて、何気ない一日が今日も始まるありがたさ。玄関を出た時、この詩を思って、ついつい『ケセラセラ、なるようになる』って口ずさみたくなります。大好きな作品です。

 

ayami様・「しなやかに生きよう」

とても青竹の写真とタイトルがマッチしています!
そして読後、嬉しくなり、励まされました。
日々の生活は、楽しいことよりも、もどかしく、情けなく、悔しいことが多かったりします。それでもやっぱり『しなやかに生きよう』そう素直に思えました。いつかこんな作品、わたしも書いてみたいなあ。

 

時雨芳華様・「砂時計」

コメントも書かせていただきましたが、わたしにはとても書けないような、透明感あふれる作品でした。時は止まり、そして動いていくのですね。せわしく行き過ぎる今を生きる私に、砂時計だけが刻むことのできる本当の<刻>が身の内に流れ落ちてくるようです。

 

北野つづみ様・「宴」

何度も読み返しました。冒頭、なんて魅力的なのでしょう。ありきたりな表現になってしまいますが、春の歓びに満ちている、力強い作品です。わたしもこの詩の蜂の一匹となり、この<宴>を共にしたいと思ってしまいました。

 

たかぼ様・「ミナモ」

絵画に造詣が深いわけではありませんが、わたしはモネの絵が好きです。一読して、彼の絵を想いました。硬質的な文体に支えられた幻想的な世界。そのギャップにココロがとらわれてしまうのです。

 

長谷川忍様・「境界」

コメントでも書かせていただきましたが拙作『三度目の小径』完成のきっかけとなった作品です。
仔猫は、異界へと誘う使徒なのでしょうか。それとも拒絶の門番なのでしょうか。もしかしたら気づかないだけで、境界は、わたしのそこここにもあるのかもしれません。幻惑的な短編映画を観たような読後感に浸ることができました。

 

リリー プロフィール

職業、会社員。
ペンネームは霧ヶ峰高原に咲くニッコウキスゲをイメージして付けました。
数年間に渡り書き溜めてあった手元の「詩のような雰囲気の原稿」を2023年からネットで作品として仕上げ、発表し始める。
将来の夢は生涯に一冊、自分の作品を本にすること。
こんな私の作品ですが、詩人会で皆様とこれからも 仲良くできれば嬉しいと思っております。♪( ´▽`)

リリー