春を迎いて
大木の幹にもたれる そなたは私の前から ...
タピラス
固形の物質はガンジスを遡れない 有心の個...
Just the Way You Are
もう夜の九時を過ぎていたが、金曜日のせ...
大道すたれて仁義あり
私の左手の 薬指には刺青(しせい)が、 ...
屋根よ、安眠せよ
核ミサイルを発射する権限を持つ人間が現実...
それだけ
ただ、それだけのことだ 空を見上げ、仰い...
春の病
君が染まる 色温度の 端を甘噛み 微温...
黒白灰色の私
私の悪を 悪は肯定している でも 私の善...
幸せな黒 チョコレートの幸せ
黒く美しい艶光り チョコレートのコーティ...
夢の名残り
昼の柔らかい光が部屋に注いでくる 僕は午...
やよい
きみは木立の中に 透明な花を 隠して...
帳の向こう側
厳かに下りた夜の帳 つまり光の境界線 向...
砂時計
時が永久に止まる 砂時計は天から飛出し ...
裁かれる者
みどりいろの足でもって カモシカたちを踏...
夢うつつ
病が昂じて余命はもうないと言われてしまっ...
白い川
川縁に一人立っていると 背後を笑い声...
Y
歩けば足裏の痛くなる砂利道や 雨が降れば...
願い
たった一つの言葉でもいい 想いを伝えられ...
戦争
北の国で 朝起きてテレビで見た 布団の...
花ゆえに―
空気はバリバリと裂けて この激しい陽光に...
金色の時計を投げた日
今日で高校の 卒業式から三十年 あれから...
炎上論
炎は暖かいものです。 遠くにいる人は癒さ...
レンガ道
晩の嵐の止んだ朝 どっぷり濡...
ハコヤナギ
おお それは ハコヤナギの芽吹く頃だ ガ...
花に寄せ、花と巡り
咲いて散り、土塊となり 咲いて散り、土塊...
春宵夢
朝は窓という窓を開け放って 春の丘の上に...
夢の中で願う事
のめり込む楽園の園 潜りたい布団の中 浸...
for the first time
会いたい思いが 散るように地下に降りる ...
1994年12月、鮮魚部作業場にて
前日退社後 掃除のバイトくんが い...
零雨の降る
零雨の降る 静かに 静かな 零雨の降る。...