サヨナラ言えなくて
きみの悲しげな 薄茶の瞳が 雨に濡れた ...
夏は
茶色く疲れ果てた蔓の途中で 朝顔の紅は ...
8月32日
かき氷のいちごシロップのにおい 午前中の...
ピリオドを撃て
蛇口を捻ると白昼夢の煌めきがゆうらりゆう...
選挙
今年中にこの星を終わりにしてしまうか っ...
流星群
昔 君と見たあの流星群にいつか飲み込まれ...
うどんを食う人
ぼやけた猫の眼球から 産まれた地球 秋刀...
実るほど頭を垂れる
スポーツ好きなら楽しまなきゃ損ですとラジ...
永遠のしあわせ
ぷにょぷにょうまれたて ぷにょ ぷにょぷ...
蝉の一分
I thought my life is...
玩具
100年経ったら 脚も腕も 頭も胸も み...
Seaside Villa
Do you know the road...
存在に
名付けたりしない 呼んだりしない 縛った...
想い出横丁
細い路地に入ると 食事処がぎっしり並び...
母親
毎夜 阿婆擦れの月が 淫靡な触手を伸ば...
立葵
白い花を見かけるたび 足が止まった。 梔...
これも運命
出会った物事に これも運命と思うことで ...
むだい
襖を張り替え 亀が孤独を跳ねかえってね ...
ひとりごと
目の前の空きビンを眺め 飛ぶことを夢みな...
カンピロバクターの施し
魂の井戸に沈む 悔悟 失望 烏瓜の橙 と...
今日
散り散り 死神 盆と正月が杖をついてる ...
5千年前
ウツラウツラと 油を売って 撃つ 痛 ...
あい にーど いおり
わたあめみたいな雲を食べる中国の仙人みた...
皮膚の下
こんななまっちょろい太陽じゃ 干からびて...
輪郭
今こここの時にスクエアな言葉が許されるな...
海を見に行った陸地の終わりだった
文字の輪郭をボカす楽しみ方は、 旅から戻...
群青を連れて
いつくしむということを 忘れてしまったな...
けもの道
一時間早く起きる人は不機嫌なんだって 一...
不死の人
玄関先で死んでいる蝉が 朝早くから私の眼...
妊娠の反対側
無人駅のコインロッカーにて 通称「ニンゲ...